POETRY

マチイニに聴け

土井晩翠

 

Published in 1920|Archived in December 1st, 2023

Image: Alphonse Mucha, "Svantovit Celebration On The Island Of Rüge", 1912.

CONTENTS

TEXT編者註

EXPLANATORY|SPECIAL NOTE

原文ママ。
後年の保田與重郎編『土井晩翠詩集』(新潮社。1952年)内の「マニイニに聴け」は、細かな約物・漢字の表記の違いに加え、4点の改行と1点の加筆が施され、編者による4点の註釈が追記されている(編者註は末尾に付したが、これはもともと出典元にはない)。加筆部分は、「瑤琴ひとり愁を抱き」の前文に加えられた「主人去りてそのかたみ」という一節である。

BIBLIOGRAPHY

著者:土井晩翠(1871 - 1952)
題名:マチイニに聴け
初出:1920年(博文社)
出典:『天馬の道に』(博文社。1920年。133-137ページ)

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その 狂妄 きやうまう むれ そと に、
えり ただ して 南歐 なんおう
聖者 せいしや こえ 耳立 みゝた てよ、
とほ きいにしへアゼンスの
せい 其軌 そのき を一にして、
Pensiers ペンシィレ   ed エド   Azione アチオウネ Dio ヂオ   e   il イル   popylo ポポロ 』の
哲理親 てつりした しく める
ヂユセプ・マチイニ、 崇高 すうかう
改造 かいぞう 權化 ごんくわ 」、 末世 まつせ 聖徒 せいと
心臟 しんざう ひら
「イタリヤ」の 文字認 もじみと むべき』」
かれ ロンドンの 孤舘 こくわん 夜半 よば
ふで くだ しゝ千 をしへ
經綸 けいりん さく 治國 ぢこく みち
宇宙 うちう そこ ひそ ける
幽玄神秘 いうげんしんぴ こえ して
のこ ししこと 耳立 みゝた てよ。
春蠶吐 しゆんさんは きなす 幾丈 いくぢやう いと
賢人書 けんじんか のこ 幾巻 いくくわん しよ か、
一千八百七十二、
傾斜 けいしや たふ のピサに ける
六十七 年生 ねんせい をさ めて、
ねばり ばく
れい 無窮 むきう 光逐 ひかりお ふ。
瑤琴 やうさん ひとりうれ いだ
その 人間 にんげん にとめし
精華幾片前 せいくわいくへんまえ
冷笑 れいせう こゑ 無恥 むち こゑ
懐疑 くわいぎ こゑ ふる しと、
しかなりふる し、ふる し、ふる し、
ふる 人間 にんげん じやう ひと しく、
ふる しアルプスのゆき ひと しく、
ふる 地球 ちきう せい ひと しく、
ふる 太陽 たいやう ねつ ひと しく、
ふる 星宿 せいしゆく れつ ひと しく、
ふる 宇宙 うちう だい ひと しく、
ふる し「 永遠 えいゑん 自個 じこ ひと しく。

編者註(保田與重郎編『土井晩翠詩集』より)

アゼンスの聖ーーソクラテス、其哲学を身に實行した人。
ペンシイレーー「思想と行爲、神と人民」これがマチイニの標語であつた。『思想と行爲』といふ題名の雑誌を刊行したこともあつた。
其の心臓を開き見よーーマチイニ自らの言「わが心臓を開き見よ、イタリヤといふ字がそこにあらう」
「主人さりて……」は「主人去りてそのかたみ」といふ句がなく「わが人間の世に……」が「その人間の世にとめし」(編者註)