CRITICISM

猫てんかんで全滅[水俣病初報]

熊本日日新聞

 

Published in August 1st, 1954|Archived in May 9th, 2024

Image: Geospatial Information Authority, “Minamata Bay”, 1974, trimmed by ARCHIVE.

CONTENTS

TEXT

EXPLANATORY|SPECIAL NOTE

本稿は、のちの水俣病にかかる初報「猫てんかんで全滅 水俣市茂道部落 ねずみの激増に悲鳴」(『熊本日日新聞』1954年8月1日付)の全文である。
Web上での可読性を鑑み、「つ」は「っ」に直した。
底本の行頭の字下げは上げた。

BIBLIOGRAPHY

著者:熊本日日新聞
題名:猫てんかんで全滅[水俣病初報]原題:猫てんかんで全滅 水俣市茂道部落 ねずみの激増に悲鳴
初出:1954年8月1日
出典:『熊本日日新聞』(熊本日日新聞社』。1954年8月1日付)

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猫てんかんで全滅
 [水俣市茂道部落] ねずみの激増に悲鳴
 
三一日水俣市茂道漁漁業石本寅重さん(三三)は市衛生課を訪れ、手がつけられないと駆除方を申し込んだ。
 
同部落は百二十戸の漁村だが、不思議なことに六月初めころから急に猫が狂い死に始め(部落ではねこテンカンといっている)百余匹いた猫がほとんど全滅してしまい、反対にねずみが急増、大威張りで部落中を荒し回り、被害はますます増大する一方、あわてた人々は各方面から猫を貰ってきたが、これまた気が狂ったようにキリキリ舞して死んでしまうというので遂に市に泣きついてきたものと判った。
 
なお同地区は水田はなく農薬の関係なども見られず、不思議がるやら気味悪がるやら衛生課でもねずみ退治にのり出すことになった。